倉庫M&Aの流れ
情報開示の範囲を段階的に広げながら、従業員・荷主・金融機関への説明順まで考えて進めます。
相談から引き継ぎまでの標準フロー
無料相談
売却理由、希望時期、秘密保持の範囲、守りたい条件を確認します。
初期資料の整理
決算、倉庫別収益、荷主構成、設備、人員、契約を候補先目線で整えます。
候補先選定
同業、隣接領域、荷主系、地域拡大型など、相性の良い候補先を検討します。
匿名打診
社名や詳細情報を伏せた状態で関心を確認し、候補先を絞ります。
NDA・詳細開示
秘密保持契約を確認し、譲渡企業の会社名の開示前に、候補先ごとの譲渡企業の事前同意を得ます。荷主の秘密情報等は別に開示条件を確認し、資料の版・閲覧者・質疑回答を管理します。
面談・基本合意
価格の前提、雇用、拠点、取引先対応、代表者の関与期間をすり合わせます。基本合意で法的拘束力を持つ条項、独占交渉期間、DDと最終判断の日程を確認します。
DD・最終契約
財務、法務、労務、不動産、設備、契約の確認を経て、価格調整、補償、必要な承諾・行政手続き等の実行条件を固めます。課題が未解決の場合の延期や見直しも決めます。
クロージング・引き継ぎ
実行前に必要な承諾・認可や金融機関との条件を確認して決済します。荷主窓口、保管責任、現場責任者、請求・WMS権限を引き継ぎ、事後届出とPMIの担当・期限を管理します。
候補先ごとに、開示する情報と順番を管理します。
匿名概要、NDA、詳細資料、現地確認、従業員説明を段階化し、不要な情報漏えいを防ぎます。
決済の前に、手続き・承諾・現場の準備を確認します。
最終契約の締結と、代金を支払い営業を引き継ぐ実行日は区別します。次の項目を「確認資料・相手方・担当者・期限・未了時の対応」の表にまとめ、必要な条件がそろう日程を組みます。
| 倉庫業と施設の手続き | 株式譲渡は法人が継続するため変更事項を確認します。営業譲渡は非発券なら地位承継後30日以内の届出、発券なら事前認可の制度です。登録通知書・倉庫明細・使用権原・管理主任者の配置を示し、管轄運輸局と必要手続き・日程を確認します。保税や危険物等は別制度です。 |
|---|---|
| 荷主・貸主等の契約 | 寄託・作業委託、賃貸借、設備リース等について、譲渡対象と変更条項、必要な承諾を確認します。単なる周知と契約上の承諾を分け、主要契約が継続できない場合の判断を決めます。 |
| 従業員と責任者 | 株式譲渡では雇用主は同じ法人です。事業譲渡で労働契約を移す場合は、譲受先や条件を十分に説明・協議し、判断の時間を確保して、本人の個別承諾を得ます。派遣・委託は別契約として確認し、主任者や現場責任者の後任を準備します。 |
| 借入・担保・経営者保証 | 金融機関と、借入の継続・返済、担保、保証解除等の条件を実行前に協議します。保証は売却だけで外れるわけではありません。審査や必要書類を確認し、未了のまま進める場合の責任を曖昧にしません。 |
| 貨物・金銭・システム | 荷主所有の預かり品と自社資産を分け、引継ぎ時の在庫数量、未完了作業、未請求・前受金、事故・補償を照合します。WMSの権限、荷主窓口、緊急連絡先と初日の責任分担を確認します。 |
社名を伏せた資料でも、地域・荷主・設備の組合せから会社が推測される場合があります。従業員や荷主への公表時期と、承継に必要な説明・協議・承諾の時期を分け、秘密保持と実行条件を両立させます。
準備資料はHOMEの譲渡方式と初回資料、手続きと後任体制は倉庫管理主任者・登録変更の実務記事で確認できます。
確認先(2026年9月14日):国土交通省・倉庫業法と申請様式、厚生労働省・事業譲渡等指針、中小企業庁・経営者保証。

開示の順番を間違えないことが、倉庫M&Aでは重要です。
荷主や従業員に不安が広がる前に、候補先、開示資料、説明タイミングを管理します。初期段階では社名非公開で進め、合意度が高まった候補先だけに詳細情報を開示します。
- 匿名概要書で候補先の関心を確認
- NDAと会社名開示への候補先別事前同意を確認
- 従業員・荷主への説明順を事前に設計
- 成約後の現場引き継ぎをPMIとして整理
進め方がわからない段階から相談できます。
売却意思が固まっていなくても、必要な準備と注意点を整理します。